◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇      〜 新感覚!?ハード☆サイエンス・ファンタジー 〜          " ログ・イン " 【Episode.2】〜無視界有音〜                       まさるです。著                         2006/11/23                          Episode.2 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 金属音が弾ける。 眉間にしわがよる。 目が大きく開き 眼球が高速に泳ぐ 男は... 気を取り戻した。 「妙だ?確かに地面(足場)を目視したはずだ・・・」 だが、実際は足場を踏み外し洞窟の中に滑落してしまった。 そして、”気を失う” 気を取り戻してから気付くこの行為は この世界ではタブー。 つまり、もっとも危険な行為のひとつである。 まず周囲を見渡してみる。 「何も見えない、真っ暗だ」 次に自分をまさぐる。 「出血は・・・無い、  特別痛むところは・・・ない  携帯品はすべて・・・ある、  食料は無いままなのも・・・  気を失う前と同じだ・・・」 それから、首に巻きついたチェーンを引っ張る。 「この音の出所はこいつ・・か」 空間はオルゴール(金属)の音で満たされていた。 懐かしく暖かな音だ チェーンの先にこじんまりぶら下がる ロケットへ、そっと手を伸ばす。 僅かな振動が手に伝わってくる・・・ このBelow Freezing Pointの世界で しかも恵まれたキャンプ以外で この曲を聴くなんて初めてだ いつもはゼンマイとドラムが凍り付いている。 「マリア・・・」 一瞬、らしくない、表情を浮べる。 が、 すぐに常顔に戻る。 目を軽く閉じ、かすかに唇を動かす。 ”カチッ” 少し開いた蓋を閉め タートルネックの中にしまい込むと もう一度周囲を見渡した。 深い真暗に沈んでいた世界が 目が慣れるにつれ、徐々に見えてきた。 「Dark Matter Full Occupied World(失明)か  と不安になったよ。」 注意深く目を走査させる。 すぐ傍にある段差へ目がポジショニングされたとき 声が漏れた。 「階段なのかこれは・・・  一段が妙に高いな・・・  しかも、こっ・これ・は象牙か?!  南極・・の・しかも極点付近だぞ!ここは!!  ・・・」 滑落してきたとおぼしきところにそれはあった。 彼の頭は天文学的数字を叩き出そうとする。 もちろん、この象牙の時価について・・。 足(犬)が無いのが口惜しい。 状況把握タスクも平行して素早くこなす。 「まずは活路を見出す。象牙はその次だ・・・  Go for wool and Come home shorn  はまっぴらだからな。」 今は踊り場ような所にいることがわかった。 よく見るとその階段らしき象牙は180°向きを変えて 更に下へと続いている・・・ 「時価を計算するのにも天文学的時間を要しそうだ」 「どこかイカレタ国の 秘密軍事施設か何かだろうか・・・」 まるで三流タブロイド誌的な発想に苦笑する。 ”転職を考える時期かもな” ”それにしても、おかしい” 人の気配がしない。 ”ここからでは感じ取れないだけなのか?” ジンは両手で自分の両ほほを叩き 気合を入れて体を起こす。 「何があるんだ?」 服の裾に付いた半分溶けたの氷の塊を を口へと運び、 彼は更にKAIDANを降りていった・・・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【後記】  まさるです。です。 ジン・R・クマカワ シリーズ 早くもEPISODE.2に突入します。 わかる人には涎垂モノのキーワードがちりばめてあります。 このノリが好きな方は是非続きも読んでください。 応援・アドバイス・酷評等 バシッバシッ!!メールしてください。 mail:metalacid@mail.goo.ne.jp また私のサイトにて色々な小説を紹介していますよろしければ 是非お越しください。 URL:http://keitai-novel.seesaa.net/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━